出直し
担当:大重正人
ナビスコカップ決勝が行われた先週末。華々しく、そして優勝を争う最高の舞台。そこに立てない悔しさを味わうしかありませんでした。またもう一度Jリーグの中心でスポットライトの当たる場所へ帰らないといけません。そのために、いまはACL圏内の3位を目指す戦いへ、トレーニングが今週も始まりました。ウェイトトレーニングとダッシュなどの走り込みで身体を鍛えぬきました。
少しだけメニューを短く終えた選手が2人いました。木村裕選手と大島康樹選手です。木村選手は8日土曜日に、J-22選抜としてJ3リーグに出場。首位のツエーゲン金沢を相手に先発フル出場しました。後半28分からはU-18の同期で水戸に進んだ白井永地選手との同時出場も叶いました。ただ結果は0-3の完敗。「個人的にはフル出場は1年半ぶりぐらいだったので、試合に出られる楽しさはありました。相手のパワープレーを徹底していて、またディフェンダーの当たりは本当に激しかったです」と腫れ上がった身体に肉弾戦の跡が痛々しく残っていました。でも、そういう相手を上回り、ゴールを決めなければならないのがFWの大変な仕事でもあります。
大島選手は、U-18チームでJユースカップに出場。2回戦でヴィッセル神戸U-18と対戦しましたが、こちらも2-4と完敗し、このタイトルへの道は絶たれました。「中3の時にヴィッセルと戦ったときは、まだいなかった選手」(大島選手)という相手のエースFW米澤選手が4ゴール。大阪のクラブチームから、神戸U-18へ加入。去年のプレミアWESTの得点王でもあります。
その米澤選手に立ち上がりに先制されると、さらに失点。後半立ち上がりに大島選手が反撃の1点を返すも、さらに米澤選手が2ゴールと、関西屈指のドリブラーを止めることができませんでした。「相手全体がうまく、一度ボールを失うと、なかなか戻ってこなかった。自分たちがボールを握ることも大事だけど、ゴール前まで行ったときは、しっかりシュートまで行かないといけなかった」。公式記録によれば、米澤選手ひとりでなんと9本のシュート。近年のレイソルU-18の試合ではほとんど記憶にないほどの、被シュート数でした。
「これで、クラブユース、Jユースと自分たちは結果を残せなかった。だからこそ、あと一つ最後のプレミアだけは、とみんな思っています。まずプレミアリーグの残り3試合でチャンピオンシップ進出を決めたい。でも、もし進出できても、今のままじゃチャンピオンシップでは勝つのは難しい。自分たちはここから変わらないといけない」。ボールを奪い取る力、チャンスを決めきる力。チーム力、個の力。彼らに残された時間は長くありませんが、若いからこそ劇的に力が伸びることもあります。最長の選手で言えば9年間、レイソルで過ごし、培ってきた力の集大成をプレミアで今一度発揮してほしいと願っています。