前半戦終了
担当:大重正人
シュート数は、甲府が6本、レイソルが4本。互いの組織が何度も大きく崩れることはなく、非常に拮抗したゲームでした。立ち上がりに甲府が右サイドを崩し、折り返しのシュートがクロスバーに直撃。その後はレイソルが主導権を握る時間もありましたが、甲府も激しい守備からリズムを取り戻し、またセカンドボールからの二次攻撃で、逆にレイソルが守勢に回る時間もありました。
後半14分、武富選手がピッチに投入されると、またレイソルがリズムを取り戻し、その出場から4分後についにレイソルが先制点。長いポゼッションで相手を自陣深くに押し込むと、武富選手が中央のスペースでボールを引き出します。エドゥアルド選手の縦パスを受けて仕掛けると、最後はクリスティアーノ選手へ。「ずっとこのグラウンドでプレーしていたので、ピッチの特徴も分かっていたし、バウンドするようなボールを蹴った」。ゴール左隅へ見事なシュートが決まり、レイソルが先制します。
甲府は次々と選手を投入し、レイソルは必死にリードを守ろうと奮闘。ガンバ戦同様に近藤選手が準備を整えた矢先、阿部選手のドリブルからのシュート、キム選手と鈴木選手のスライディング及ばず、左ポストに跳ね返ってゴールに決まってしまいました。掴みかけていた勝ち点3は、結局1点を積み重ねるにとどまりました。
「前節ホームで勝利を収め、今節どうしても勝点3が欲しいという中で、痛い引き分けとなった」。吉田監督は険しい表情で会見に臨みました。「甲府さんの勢いと圧力もあり、立ち上がりから若干我々の選手たちの重さを感じました。ただ徐々に盛り返し、落ち着きを取り戻してきた。後半の立ち上がりからは、途中一つミスから押し込まれる時間帯が続きましたが、その後武富が入った辺りからペースを握り返す、スペースを取るというところが順調に行って、あの得点が生まれた。そのまま終わる、もしくはもう1点取るという流れができれば良かったが。相手の選手交代、特に3人目の盛田選手が入って前の枚数が変わったこと、セカンドボールに気を取られた。そこの対応のところで、それまでできていた寄せというところが若干甘くなったかと思います」
今日で1stステージの17試合が終了しました。優勝した浦和が勝ち点41、東京が35点、広島が34点、ガンバが32点。去年34試合で優勝したガンバの勝ち点は63ですから、4チームがそのペースを上回っています。レイソルは現在勝ち点18で14位。その下が松本の15点、山形の14点、新潟の14点、清水の13点。去年15位でJ1残留した清水が36点、降格した大宮が35点。レイソルの置かれた状況は、簡単ではありません。
吉田監督は「いずれにしても足りなすぎる勝点で1stステージを終えることになりました。ACLを含めたくさんの試合をこなしてきた中で、今日も中3日のアウェイ、かなり蒸し暑い中、選手は力を振り絞ってやってくれたと思いますし、その中で勝点3が取れればという中で引き分けに終わったというのは非常に痛い。ただ、これから前を向けないような試合ではなかったと思っています。とにかくこれから、1stステージ、ACLを含め、われわれが5ヶ月間戦ってきたところを一度おさらいして、勝ちにつながるように、勝てるように、修正していきたい。」とここまでの前半戦を総括しました。新しいスタイルのサッカーに挑戦し、その形が見えかけているところもありますし、一方で最後の踏ん張りが効かず、惜しい勝ち点を落としている試合もありました。J1最多の26試合を戦ってきたレイソル、明日から3日間のオフで心身を休め、7月からリスタートを切ります。