2016年9月18日

神戸戦

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88分までつかんでいた勝ち点3が、最終的に勝ち点1に終わり、優勝争いへのレースから後退する、悔恨の試合になってしまいました。焦点は戦前の予想通り、ネルシーニョ監督が狙う主導権の争い、特に中盤の守備をどうレイソルが打ち破っていくかという90分でした。

ヴィッセルは立ち上がりから、レイソルのコンパクトな陣形から生まれるスペース、背後やサイドチェンジへのロングボールをためらうことなく蹴りこんできました。そこはしっかり跳ね返していたレイソルでしたが、タッチにクリアしてもヴィッセルの藤田選手のロングスローは通常のセットプレーと同様にレイソルにとって脅威的でした。前半のCKは3本、後半のCKは6本だったものの、その倍以上のセットプレーを浴び続けている印象でした。結果的にはすべて耐えきったレイソルでしたが、ボディブローのように心身へのダメージが蓄積されていたのかもしれません。

ただセットプレーのチャンスをものにしたのはレイソルの方でした。前半23分、クリスティアーノ選手のキックに中央に飛び込んだ、中谷&中山の若きCBコンビ。中谷選手が頭でとらえ、ヴィッセルのネットを揺らし、大きな先制点を奪います。

押し込まれる時間もあるなか、それでもレイソルのゴールキックからのビルドアップに対しては、レアンドロ&ペドロジュニオールの2トップのチェイスはそれほど厳しくなく、CBコンビ+秋野選手のパスワークで攻撃のリズムを作り出します。「ただ自分たちのペースで回しているようで、そうではなかった」。中山選手はこう振り返りました。特に試合途中、ネルシーニョ監督が修正を加え、ペドロ選手がアンカーの秋野選手にマンマーク気味となってからは、少しずつ歯車が合わなくなっていたように感じます。

「雄太と自分の所でもう少し攻撃的なボールを出せれば良かったけれど、前と距離があったのでそこがなかなか上手くいかなかった(中谷選手)」。「ボールを前に運べなかった。自分達がボールを奪った後に、みんな良いポジションが取れていなかった。ボールを奪って、出す場所を探してもどこにも良い位置の人がいなくて、蹴るしかなくなってしまった。それでも蹴ったボールにも反応できずに相手のペースになってしまったと思う(栗澤選手))。

秋野選手がマークされる分、両CBが比較的ボールを持ちやすくなり、前をうかがいますが、「今日のレフェリーは比較的流していたので(ファウルを取らなかった)、ダメージや疲労があったかもしれない」と相手の激しい守備を受け、前線の選手たちのポジショニング、またカウンターの勢いが出せません。

「良い時の自分達だったら、そこで守り切れて、カウンターから点を取れていたと思う」。中谷選手の言葉通りでしょう。押し込まれて苦しい後半のほとんどの時間を耐えてきましたが、残り2分、レアンドロ選手へのマークが一瞬外れてしまいます。その隙を逃さなかった彼のシュートまでの一連の動き、シュートコースはすばらしく、レイソルにとっては痛恨の同点ゴールとなってしまいました。

首位に立ったレッズとはこれで勝ち点5差。またフロンターレが敗れ、上位との差を詰めるチャンスだっただけに、また厳しい戦況となってしまいました。「それでも次の天皇杯にきりかえてやるしかない」。タイトルやACL出場という目標へ、まずは22日木曜日の愛媛戦、ここからまた連勝をスタートできるよう、1試合1試合戦っていきます。