2018年4月12日

鳥栖戦

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担当:大重正人

立ち上がりからのすばらしい前半。一転して後半は守勢に回りましたが、1失点に食い止め、また2-1となってからの耐える力、勝ちたいという思い、次々と投入されたリザーブの選手たちの働きもあって、苦しみながらも、逃げ切りました。苦しんだ末の勝利、やはり勝つことは格別でした。

先日日曜の広島戦は、立ち上がりの入りが悪く、非常にもったいない前半でした。「今日は試合の前から選手たちが声をかけあって、いい雰囲気を作っていた」。下平監督もそう振り返るように、ウォームアップから誰となく声を出し、手を叩いて、味方を、そして自分を鼓舞し、チームの士気を高めて、いい試合の入り方ができました。

広島戦ではビルドアップで激しいプレッシャーを受けたこともあり、今回はそのやり方に変化を加え、戦術的にも相手の想定外のこと、嫌がるようなことを実践し、先手に打って出ました。そこに選手たちの球際のファイト、前へ出ていく推進力、強い気持ちを存分に発揮しました。この時間帯に点が獲れれば。そう思った矢先の、前半7分、キムボギョン選手の先制ゴールでした。

広島戦は少ない時間ながらチャンスメイクした亀川選手が先発起用に応え、左サイドの高い位置からクロスではなく、グラウンダーのすばらしいラストパス。「カメがボールを受けた時に、自分もスペースでボールを受けたいという意図で動き出して、カメが素晴らしいパスをくれたので、あとは自分でゴールまでのイメージは出来ていたので、そのイメージ通りのプレーが出来た」(キム選手)。ボールを動かし、ペナルティエリアへ多くの選手が入り込んで、流動的に多くの選手が絡んだプレー。ボギョンのフィニッシュもすばらしく、鮮やかにネットを揺らしました。

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その後は、立て直した鳥栖の攻撃を受け、自陣で跳ね返す時間が続きました。シュートこそ許さないものの、ここは耐え時でした。そんな時に、一転して刀を振り返したのが中川選手でした。前線からのチェイス、ビルドアップからのボールをタイミングよく引き出す動き。彼らしさを存分に発揮していた中、もうひとつ伝えたいのが、味方のミドルシュートに詰める動きでした。立ち上がりから、同じようなケースに必ずオフサイドラインぎりぎりから飛び出し、GKが万が一弾いたときには必ず詰められるような動きを繰り返していました。

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「いつも得点は狙っているし、キーパーが弾く所を狙っていたし、泥臭い所を狙っていた」。37分、右サイドから亀川選手が左足で狙ったシュートだと思いますが、これが左にそれるところに懸命に足を延ばし、ゴールへとボールを送りこみました。「たまたま僕の所にボールが来た」と言いますが、まず常に予測して準備いなければあのボールには反応できないでしょう。そして無駄にはなるかもしれないけど、それでも怠らなかったダッシュ。他よりは小さな身体で、でもそこで自分がいかに生き抜いていくか、走りだけでなくゴールという明確な結果を残すか。そこにこだわりピッチで表現したヒロトの完璧な勝利です。「試合に出ていない期間に練習を真摯に取り組んできたことが今日のゴールに繋がった」

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後半からは、サガンの反撃を受けます。その圧力は、予想はしていました。いかに耐えて、そして先に3点目を獲れれば勝負を決められる。伊東選手のビッグチャンスが決まっていれば、という展開の中、ついに後半30分、小野選手の見事なボレーシュートでリードは1点に縮まりました。前回の日記でも書いた通り、鳥栖の前回のホームでは0-2のビハインドを後半28分からひっくり返しています。逆転を信じてやまないサポーターの声援や圧力がさらに強まりました。

2-0で迎えた後半。いつも私はレイソルが攻め込むゴール側でカメラを構えるのですが、今日は逆サイド、守るゴールを狙っていました。キリやディフェンダーたちが相手の攻撃を跳ね返す姿、そして喜びに沸く勝利の瞬間を収めたいという思いでした。改めてキーパーは孤独だと感じました。相手サポーターとも戦っているんだなと。鳥栖のサポーターの応援歌が頭に残るほど、ずっと45分間相手側の声援のなか、平静を保ち、時には大きな声を出して周りを勇気づける。キリだけでなく、シンやタニも、セットプレーのピンチやプレーが止まるたびに手を叩いて鼓舞を続けていました。

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この日最大のピンチは小野選手のゴールの4分ほど前。どうやって防いだのか、ピッチサイドからは判別できないような、何本もの決定的なシュートをチームで止め続けました。「まずヘディングを自分が止めて。すぐに起き上がったと思ったら、もうシュートが飛んで来てて。最後はシンに当たって」。あんなにも混雑した場面をキリはしっかりと振り返っていました。チームが押し込まれていた中でも、彼は沈着冷静で、そして集中できていたのでしょう。

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「ACLの負けられない全北戦で自分が出て負けて、その流れを断ち切れずにホームの広島戦でも負けて、自分としてはすごく難しい気持ちだった。今日ピッチに立って、カッコいいプレーはなかったけれど、柏レイソルのために、みんなと勝ち点3を掴めてよかった。危ない場面もあったけれど、練習や今日に向けての気持ちが良い方向に繋がって守りきることができた」プレーどうこうよりも、勝利。キリがこだわっていた結果をついにその手につかみとりました。苦しい試合だったせいか、彼が年齢を重ねたせいか、喜びを爆発させるというよりは、安堵というか勝利に浸るような様子が印象的でした。

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勝利を次の勝利へ。次は14日土曜日の札幌戦、ホーム日立台で勝利を分かち合えるよう、共に戦ってください。ご声援ありがとうございました!

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