福岡戦
担当:大重正人
両軍とも激しく組織的な守備でリズムを作るチーム。しっかりブロックを作り、中盤では激しい攻防が繰り返された前半でした。ネルシーニョ監督は「今日の試合は予想通り拮抗した試合になった。相手も序盤から球際のところで相当厳しくきていて、流れの中で相手が空中戦に持ち込んでくることも事前に準備していた通りではあった」
空中戦のところでは、昨年までアビスパでプレーしていた上島選手が、その特徴である強さを発揮し、しっかり跳ね返していました。「前半に関しては拮抗した試合運びになっていたし、バトルでも負けず自分達らしい試合運びはできていた」。ボール保持はアビスパの方が長かったと思いますが、それでも大きく崩れることなく試合を運べてはいました。
だからこそ、こうした拮抗した試合で明暗を分けるのは、往々にしてセットプレーになります。後半立ち上がりの3分、コーナーキックのピンチを防ぎきれませんでした。189cmのグローリ選手をはじめ180cm超の選手が並び、レイソルも長身選手はいるものの、その合間を縫うように、志知選手のヘディングを許してしまいました。
それまで堅く戦ってきたところからビハインドになり、いかに強いパワーを出して1点を取りに行くのか。そこで今季なかなかゴールを陥れることができていない課題を今日もなかなか克服することができませんでした。相手はより自陣を固めて守ろうとする中で、中央を崩すのか、サイドから仕掛けるのか。ビルドアップからじっくり攻めるのか、ロングボールを使うのか。アップテンポには変わって、仕掛ける姿勢もより見られましたが、焦りもあってか、ボールロストも増え、なかなかシュートまでいけない。シンプルなクロスは、186cmの宮選手が入ってより高くなったアビスパに跳ね返され、セットプレーのチャンスも、メンデス選手やフアンマ選手といったニアに立つストーンにクリアされる場面が目立ちました。
「今日は失点してから、時間が残っているにもかかわらず簡単にボールを手放してしまうシーンが目立った。そこは全体としてもう少しボールを動かすことを意識してやっていかないと、今後も同じような試合展開を繰り返すだけになる」(古賀選手)
「アビスパ相手に先制を許すと、引き込まれて難しい展開になることは分かっていた。失点した後の戦い方も、(チームの中で)ちぐはぐなところもあったし、引いた相手に対してどう崩していくのかというアイディアが少し足りなかったと思う」(上島選手)
特に、上島選手は昨年、このチームの中心でしたし、戦い方やストロングポイント、勝ちパターンや強みを知っています。こうなってはいけないというパターンに陥り、立て直せないまま、タイムアップの笛を聞くしかありませんでした。大きく崩れず、失点を減らす戦い自体は引き続きできています。我慢をしながら、いかに攻撃の形を構築していくか。新しいブラジル人選手が入り、彼らの長所をつかみ、ゴールへの道筋を一つ、また一つと増やしていかなければなりません。忍耐強く、繰り返し続けていくのみです。