『成長の証』
担当:桜林 舞
ジュビロ磐田戦が行われたのは2日前。
私はこの試合を、ちばテレビさんの編集ルームで見ていました。そう、同日20:30から放送されたレイソル応援番組「ライジングレイソル」に出演するためです。
「負けるのか、勝つのか、引き分けなのか?!」と心はまさにパッパラー河合さん状態。ヤマハスタジアムの、テレビの前の、モバイルレイソルテキスト速報を観ていた人のすべてのひとが「どっちなんだー!!!」とハラハラドキドキしながら試合の行方を見守っていたことと思います。
2点ビハインド、杉山選手が高い打点で反撃の1発。「点を取る」と前回のライジングレイソルインタビューで色紙に書いてくれた杉山選手。今季初得点はまさに「有言実行」のひと言です。
もう1点はいるのかな?前線が活性化する中、ポポ選手のゴール前のグラウンダーを李選手がスルーして、菅沼選手の今季「10ゴール目弾」。「まずは二桁に乗せたい」。貪欲にゴールを狙う姿勢は、リーグ戦直近7試合で6ゴールと驚異的な決定力を生み出しています。
残り5分まだまだいける!と番組スタッフの皆さんと目の前のモニターを食い入るように見つめると、あ、入った?!古賀選手も今季初得点。どんぴしゃなヘディングシュートがゴールネットを揺らしました?!!!
「いやー、今日はいい雰囲気でスタジオに入れますね?」と言われながらロスタイム表示をみると「5分」。「長いよ。長い!!!」と言ったところで、ロスタイムが減るわけではないのですが、スタッフ一同で突っ込んでしまいました。
すわ、名古屋戦の逆転劇再来か!と意気込んだものの、壮絶な打ち合いのすえ、皆様ご存知のとおりのセットプレーからロスタイムで失点…。編集室の他の番組スタッフのことも考えず、「いやぁぁぁああああぁぁぁあぁぁ?」。ライジングレイソルスタッフ一同騒然。惜しかった、惜しかった、惜しかった?、と興奮しながら収録の打ち合わせに入る我々でした。
試合終了後は、なんていうのでしょうか。「残念!」という思いももちろんありましたが、それでも「いい試合をみせてもらったなぁ」というしみじみドキドキというか、ハラハラきゅんきゅんするような、熱気と高揚感に満ちていました。パッパラー河合さんの言葉を借りれば「う?ん、シビれたよ…」という言葉こそが、かなりしっくりくる精神状態です。いや、本当に痺れました。サッカー自身の醍醐味が凝縮されていたような、そんなゲームだったと思います。
「0-2から3-2に逆転できたことはすばらしいが、そこで勝ちきることができなかった。ものすごくもったいなかった」と石崎監督も本日のビデオミーティングで振り返りました。そして、「後半からの、何人もが連動しての動きは今季で一番良かったかもしれない」とも。
ライジングレイソルの収録直前に終わった磐田戦。磐田戦の画像編集を待って、スタジアムの撮影が行われたのですが、そのとき「おや?」と思ったことがありました。ホームゲームの時はちばテレビさんが収録した監督記者会見の模様が流れますが、アウェイのゲームでは監督のコメントを広報が読み上げます。公式HPにアップされた監督コメントのプリントアウトを受け取ったときのことです。「0-2の状況から3-2まで逆転できたのは、諦めることなく戦ってくれた『選手たちの成長の証』だし、リードされても慌てず自分たちのリズムでチャンスを作れた」というコメントが記載されていました。
石崎監督は、対外的には、特に監督記者会見などではあまり褒めない印象を私は持っていました(もちろん、選手個々には言ったりするのかもしれませんが)。むしろ勝った試合こそ、辛口評価…というような。でも、白星は手にすることができなかったけれども、一度は逆転したことは『選手たちの成長の証』だと会見で述べていたことに対して、ジンときたというか、シビれたというか。
一観戦者としても「いい試合だったなぁ」と思ったのですから、監督やコーチや選手が「いい試合だった!」と手ごたえを掴んだのは道理なのかも知れません。しかし、負けても「いい試合だった」とか、引き分けでも「いい試合だった」と言える試合が全34試合あるリーグ戦の中で、いくつあるのかと思いまして。ましてや、ロスタイムの失点で引分けた試合では、なにをかいわんをや、です。
ロスタイムの失点も、勝ちを目前にした引分けも、前半の2失点をも差し引いて、「0-2の状況から3-2まで逆転できたのは、諦めることなく戦ってくれた『選手たちの成長の証』」と監督が言える、そんな試合が出来たこと、それが磐田戦の一番の「味わい」であったのではないか、と私は思いました。
みなさんの磐田戦はいかがでしたか?
チームはすでに、今週末のホーム最終・大分戦に思いを馳せています。
大分戦は「サポーターサンクスデー」。
ホーム最終戦こそ、味わい深いゲームにしてまいりましょう!
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