決戦前夜
担当:大重正人
「フロンターレ戦への準備はしっかりできたと思います」
どしゃぶりの雨に濡れた高橋監督は、こう話を切り出しました。1月1日の天皇杯決勝戦から、1月22日のチーム始動。灼熱のグアム、暖かだった鹿児島とほぼ順調なキャンプを送り、日立台で最後の総仕上げ。ちばぎんカップで3-1と快勝し、「それまでいい試合ができていなかったから、この2週間は選手たちも気持ちよくトレーニングできたんじゃないかな」と、新生・高橋レイソルの追い風となるゲームとなりました。
今日は、「ギガント、寒いね」と不惑の大津トレーナーがかわいらしくなってしまうほど(?)、強烈に冷たい冬の雨でした。しかし雨音をかき消すほど選手たちの元気な声が響きました。ウォームアップからミニゲーム。といっても、2グループに分かれて、5対5+フリーマン1(常に攻撃側に参加)、そしてコーンのゴールを二つ置いたもの。ボールポゼッション、攻守の切り替え、どのゴールを狙うのか、フリーマンをいかに使うか。同じミニゲームでも、高橋監督が求める「考えるサッカー」が凝縮されたゲームです。
「チュンソンが、パス10本通したら1点にしようって面白いこと言ってたなぁ」。ミーティングでそうつぶやいた高橋監督はその提案を柔軟に取り入れます。リードしていてもゴール前に引きこもっていれば逆転されてしまいます。ここでもPra Frente精神が求められます。アラサー世代が集まったグループ、最後はフリーマンの北嶋選手がまさかのオウンゴールで思わぬ決着。「ゴールも4つあるし、どっちのチームにいるかわからなくなっちゃうし……」と苦笑。「ナイス、キタジ?☆」と勝利がプレゼントされた古賀選手たちからもみくちゃに。山根、藏川、古賀、北嶋。ベテラン陣は今日も変わらず、大好きなサッカーを楽しんでいました。
「メンバーの18人には、チームを代表して戦うという自覚と責任をもってほしい。今回はメンバーから外れた選手たちも、長いシーズンでは戦力になってくれると思う」とチームがひとつになって戦うことを選手たちに求める高橋監督。「勝ち点55を獲るために、勝ちにこだわりたい。もちろん川崎のアタッカーはすばらしい選手が揃うけど、ウチのディフェンダーだって負けていないよ。そう信じています」。
勝利を信じ、仲間を信じること。
12月まで続く34試合の長い道程は、いいときも悪いときもあるでしょう。
それでも下を向かず、常に前を見据え、共に手をとりながら、しっかり歩を進める。
まずは、明日の16時。等々力競技場へすべてを結集です。
試合前は譲っても、試合後には乾杯したい!