2009年5月10日

戦い

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担当:大重正人

完敗です。非常に情けない試合でした。何もさせてもらえない90分でした。
個人として、チームとしての成熟度の差を見せつけられました。

1月の天皇杯、そして今季のガンバのサッカーを見ていて、技術、戦術で上回るのはきびしい。ではどうやったらガンバに勝てるのか。なにが必要で、なにが大切なのか。選手たちはわかっていたはずです。

今日はベンチスタートだった栗澤選手が試合後にしっかりと話してくれました。
「全然戦えていなかった。ボールを取られたあとに奪い返しにいったりができていないし、相手に駆け引きでも先手をとられていた。戦術とかじゃなくて、まず目の前の相手に勝たないと。自由にプレーできないように、例えば少しでも足を延ばしたり、少しでもプレッシャーを与えて、相手が嫌がることをしないといけない。今日は前からプレスにいこうと言っていたけど、相手のパスを見ちゃっていた。誰かがまず行って、それに誰かが続いて、相手のボールを奪いにいくことをしないと。

戦術は、相手がいるなかでうまくいかないほうが多い。それにどんな戦術でサッカーをやるにしても、こういうことをしっかりやるのは、プロの選手として当たり前のことです。ガンバはパス回しがうまいチーム、それなのに前線の選手を含めて全員がディフェンスしたり、攻守の切り替えも早かった」

栗澤選手の言葉は、誰かにぶつけられたものではなく、もちろん自分であったり、チーム全体へ向けられたメッセージです。やらなければいけないことを理解していながら、どうして「戦うこと」ができなかったのか。「戦う」って難しいことなのでしょうか。「戦えなかった」というコメントは、プロとして恥ずかしい言葉です。こんな言葉は、もう聞きたくありません。今までレイソルの一番いいところ、当たり前のようにできていたことが、今日はなぜかできなかった。気持ちの問題ではなく「意識」や「意欲」の問題ではないかと思います。

鹿島戦は1週間後です。試合で戦えるのは選手たちですが、選手たちが自信をもって戦える状態で送り出すこともチーム全体の責務です。「この練習をやったんだから、これだけ練習したんだから、オレ達は絶対に勝てる」。コンディションの準備、戦術の準備、メンタルの準備。これらの戦う準備を1週間で万全にして、試合に臨まなければいけません。

レッズやガンバ、そしてアントラーズは「強いチーム」ではなく、「敵」です。
強いも弱いも関係ない。
「敵」です。
試合に勝つのではなく、相手を倒す。
それが戦いです。