2009年10月17日

勝つために必要なこと

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担当:石本瑞奈

今日のFC東京戦は山形との直接対決の前の大事な試合。それは誰もが分かっていました。
結果は0対4の完敗。
ロスタイムは6分。最後の笛が鳴るまで、この得点差にもかかわらず、声を枯らして応援してくださったサポーターの皆さん、本当に、本当にありがとうございました。試合後も、ブーイングではなく、「まだ終わってないぞ!!」と何度も選手を励ましていました。本当は悔しくてしかたないと思います。いろいろな思いをこらえていると思います。現場で傍にいて、そう強く感じました。

皆さんの思いは選手たちにも伝わっています。杉山選手は試合後、「本当に言い訳のできない試合。こんな試合にもかかわらず、ブーイングをしなかったサポーターの気持ちに応えないといけない」と話しています。
今日がリーグ戦初出場となったルーキーの工藤選手も「最後まで声を枯らして応援してくれたサポーターのことを考えると、今日の負けに落ち込んでいる場合じゃありません。また明日から頑張って、もし次の試合、出場機会があれば、言い方はよくないかもしれませんが、死んでもいいぐらいの必死さでやりたいです」。と悔しそうでした。もちろん、今日が必死ではなかったというわけではありません。一生懸命頑張ったけど、まだまだ頑張りが足りないという気持ちで答えていました。工藤選手は「試合に出る人間は、柏レイソルに関係している人すべての気持ちを背負ってやらなくてはならない」とも言っていました。重い覚悟です。

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ルーキーだけではありません。栗澤選手は「下を向いてはいけない。ここまでくると一番大事なのは気持ちの部分。選手たちで、これからどういう気持ちでプレーしていくのか、話し合いたい。それによって結果も変わってくる。」
さらに、気持ち以外のプレー面でも、次の山形戦にむけて、こう言いました。
「もっとプレーに厳しさを持ってやりたい。今日は誰かがやってくれるというあいまいな部分があった。そうじゃなくて、各自が責任を持ってやる。そのためにもっと集中力を高めたい。言い合うのは好きじゃないけど、言い合いになってもいいから、細かい部分を詰めていきたい。」と強い口調で話しました。

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大谷キャプテンも、「もう一度みんなで立て直すために選手同士で話し合いたい。あと5試合ある。やるしかない。チームとして下を向かないようにして、直接対決を迎えたい」と厳しい表情で話していました。

ネルシーニョ監督は会見で「残り5試合、勝つことだけを考えなければいけない。特に次の山形戦は今季すべてが決まるような大事なゲーム。1週間しっかり準備して臨みます」と山形戦への強い意気込みを語りました。 

会見での話の通り、監督は今日の試合の修正点をきちんと選手に説明して、次の試合に向けて準備していきます。でも、あくまでプレーするのは選手たち。その選手たちが危機感を持って、自主的にコミュニケーションを深めようとするのは、とても大事なことだと感じました。
栗澤選手が「言い合うのは好きじゃないけど」と言っていましたが、日本人の気質として、他人と言い合って理解を深めるというのはあまり一般的ではないです。「和を大切に」とか、「空気を読む」とか、そういったことが「良し」とされる風潮だと私は思っています。それは日本人のよいところかもしれませんが、プロサッカーの世界では、時に言い合いをしなくてはいけない時もあると思います。
もちろん、いがみ合うのではありません。確かに言われていい気持ちはしないと思います。でも、プロなら、よりよいものを求めていく、その一点に尽きると思うのです。
元プロサッカー選手から聞いたことがあります。「練習中はバンバン言い合いをしたよ。プライベートでも仲が良かったわけじゃない。でも試合になったら、そいつが何をしようとしているか分かるから、それに合わせた動きができたんだ」。
レイソルはそういうチームカラーではないかもしれません。でも、周りを、お互いをよく知るために、自分の考えも知ってもらう。齟齬があれば解決策を見出していく。山形戦を前にして、やらなくてはいけないことです。

サポーターの皆さんは諦めていません。冒頭にも書きましたが、「まだ終わってないぞ!!」という声が今でも私の耳に残っています。まだ、何も終わっていないんです。
明日から、今季のすべてが決まる山形戦に向かって、選手たちは必死に闘ってほしい。諦めなければ必ず道は開ける。そう信じています。

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