2010年5月 9日

縁 Part22

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担当:大重正人

今季、90分間を通して、もっともいい試合ができたのではないでしょうか。常にボールを支配し、シュート数は16本。栗澤&大谷のダブルボランチがボールを奪い返し、2列目の澤&レアンドロが密集でもボールをしっかりキープし、田中&工藤の2トップがしっかりゴールを決める。もちろん、もっとゴールが決まれば言うことなしですが、それでもゲームをコントロールし続け、相手のシュートは前後半でたった1本ずつですから。

最後方で守っていた菅野選手には、ほとんど仕事がなかったように見えたのですが、それはひどい思い違いでした。「これだけ攻めていれば、後ろにはすごいスペースがある。ディフェンダーを含めて、すごく気をつけなければいけない。でも今日は最後までみんなが集中を切らすことなく守れた」。

それでも試合中に「ライン!ライン!」と叫び続けていました。そのわけを聞くと、「押し上げが足りていなかった。相手のロングボールが多い中、オフサイドをとれればいいし、また押し上げることで、中盤がコンパクトにできるし、そうすればもっとセカンドボールを取って優位にできた」。DFの裏をとられるリスクを承知しながらも、より攻撃的な守備でしかける姿勢。被シュート2本は、つねに高いレベルを求めてプレーする選手たちがいるからこその見事な結果です。

甲府戦とは違い、ホームゲームのように、落ち着いて試合を見ることができました。試合内容もさることながら、心強いサポーターの方が周りにたくさんいてくれたからです。長良川メドウでの開催で、収容3600人のチケットが完売。アウェイ応援席も少なかったことで、メインスタンドまでレイソルイエローがあふれかえっていました。速報を打つ記者席の周りは、選手ウォームアップから、常に手拍子の応援。こんな応援の最中で速報を打てたのは4年目で初めてです。今日ならば、タオルマフラーを豪快に振り回しても、まったく大丈夫だったかもしれませんね(笑)

今季は、札幌の石川選手、熊本の南選手など、いろいろな仲間と再会することができました。ほとんどが選手同士の関係ですが、柏と岐阜には、すこし違う関係でつながった仲間がいます。

橋本選手と、岐阜の広報・水野さんは、大阪体育大学サッカー部の同級生で、選手とマネージャーという間柄です。試合後には関西弁で語り合う二人の姿がありました。春先の広報会議で水野さんの出身を聞いてびっくりしたのですが、今日は試合後のお忙しい中にもかかわらず、大学時代の話を聞かせてくれました。

「3年のとき、ワタルはケガでまるまる1年間プレー出来なかったんです。それでもチームの試合にはいつも帯同して、帰ってからひとりトレーニングしていました。私も基礎練でボールを渡すのを手伝うこともありました。意外かもしれないですけど、コツコツ頑張る努力の人です。大阪にはおもしろい人ばっかりなんで、チームの真ん中で引っ張るようなタイプじゃなかったけど、サッカーはチームで一番うまかったし、先輩からも後輩からも慕われるような感じでしたよ。おっとりしているところがあるし、すごく気配りもできるんで、話しかけやすいですよね?

私たち仲間からすると、ワタルは『みんなの希望の星』なんです。J1でプレーしてほしいし、左利きのサイドバックって貴重な存在だから、ワタルなら日本代表にも入れるって、みんな応援してるんです」

今日の橋本選手は、大学の仲間や、地元の滋賀の方々を60人ほど招待し、「みんな、めっちゃ喜んでくれましたよ!!」と、みごと勝利をプレゼントすることができました。水野さんをはじめ、それだけ多くの仲間から支えられているありがたみを改めて感じたでしょうし、逆にそれだけの人達をひきつける橋本選手の人柄やこれまでの行動があってのことでしょう。

最後に水野さん。
「これだけ持ち上げといたから、今度会ったら、なにかごちそうしてもらおっと(笑)」。
ワタルくん、素敵な仲間をいつまでも大切に?

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